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陰キャが実はネットアイドル☆
陰キャが実はネットアイドル☆
Auteur: satomi

 プロローグ

Auteur: satomi
last update Date de publication: 2025-05-15 12:34:38

「昨日の配信みた?」

「お前、更新されたのに見てねーのかよ?」

「え?今回は男?女?」

「今回は女だった。やっぱり超美人だよなぁ。年齢もわかんないし」

「そうなんだよね。男バージョンの時はめっちゃイケメンだし。どうなってるの?って感じ」

一人のクラスメートが俺の机にぶつかった。

「あ、悪い。お前には縁遠い話だよな。っていうかお前、インスタとかやってんの?それ以前にスマホ持ってんの?」

一応授業前に俺も回収されるんだが。学校にはガラケーしか持って来てないからな。用ないし。

「高校生がガラケー?家との連絡に使ってるんですかー?」

「優等生じゃん放っておきなよ、きゃはは」

というのが俺、田中タロウ(17)の学校での評価。

ま、もっさりとした容貌。猫背。黒縁眼鏡。インテリ。ガラケー持ち。なんで友達はいない。所謂陰キャというやつだ。

今日も授業時間が終わった。

「田中君は塾ですかー?」

暇なのか?相手にしなきゃいいのに、どうして絡んでくるんだろう?

「まっすぐ家に帰る…」(俺だって投稿画像撮るので忙しい。速く帰らせろ)

「インテリ君だから塾かと思ったら、マザコンだったんでちゅね」

勉強は授業をまともに聞いてればできる。そして、マザコンではない!

うちの家族構成は俺・両親・姉だが、俺の仕事は知らない。俺は一人暮らしをしている。

俺は無視して帰った。俺の頭の中は今回の更新は男バージョンにするか女バージョンにするかだ。

うーん、イライラするし、女バージョンにするか。

なんか、化粧したりするとストレス解消になるんだよな。

こうして俺は『T』になった。

我ながらなかなか美人だと思う。世間ではハスキーボイスと言われている。

最近のコンピュータの編集力様様だ。喉仏を編集で誤魔化せる。

前なら首になんか巻いてたりして、性別が徐々に明らかになっていったもんだが、『T』の性別は不詳のまま。

歌唱力もそこそこあってよかった。これでも女声の歌も歌える。

化粧の仕方など独学。要は美人になればいいのだ。

翌日

「昨日の更新見たかー?二日連続女バージョン!」

「あー、男バージョンの『T』様見たいよ~」

『T』に‘様’が付いた。

「わかる~。『T』様ロス?」

「そんな感じ」

ふむふむ、今日は男バージョンにしようか?

「それにしても『T』様は歌上手くない?男声も女声もOKでしょ?すごくない?」

『T』をネット検索しても、年齢・性別・本名全てが不詳。

まぁ、俺なんだけど・・・。

俺はネットアイドルとして全世界で人気を博し、収入がある。ありがたや~☆

俺の家は声が外に漏れない完全防音。なおかつ、ネット環境も完備。各種スタジオも完備。

収入があるって素晴らしい!

今回は男バージョンになるわけね。

これはわりと簡単で、普段もっさりとしている髪をちょっといじって顔が見えるようにして、ちょっと化粧をすればOK。顔バレしないもんだ。いやぁ、先入観とかすごいなぁ。

声は普段と変わらないし、歌う歌はジャンルを問わず。何故ばれないのか不思議なくらいだ。

翌日の教室は今度は女子がうるさい。

「久しぶりにみた『T』様最高♡」

語尾が♡なんですけど、そこまで?

「一昨日は美女だったのに昨日はイケメンでイケボでしょ?どうなってるんだろ?」

「編集で変えてる?とか?」

「いやー!!『T』様はそのまま天然素材でイケメンなのよー!!」

お褒めにあずかり光栄です。

「ゴメーン、冴えない陰キャにはわからない話よね、ガラケーだし?」

「そういうなよ。世間では『T』様で持ち切りだぜ?って言っても何の事かわからないだろうな」

「「「はははっ」」」

そこまで笑うか?とりあえず、ワイドショーで話題になってたからそこらの奥様でも知ってると思う。

「お前はどーせ、髪の毛いじったってたいした顔じゃないんだろ?」

たいした顔です。保険で黒縁眼鏡をかけているわけですね。

髪をオールバックにされたが、黒縁眼鏡が陰キャさをまだまだ残してくれた。猫背なのも良いだろう。『T』様は姿勢もいいからな。

「う゛っ…」

一瞬バレたか?と思ったけど、そいつが一瞬ちょっとイケメンを感じただけのようだ。ほっ。

「やっぱ、陰キャはどう転んでも陰キャだよな」

捨て台詞っぽい。卒業式にでもばらすかなぁ?『T』様は永遠に謎の方がいいかな?墓まで持って行く?

「『T』様って絶対テレビとかのメディアにはでないのよね。ネットのみ!」

「そうなんだよな。せめて雑誌とか…」

「男共がこぞって女性誌を買ったりするの?想像するとちょっとウケる(笑)」

「女子も同じだろ?男性誌を買ったりするわけだろ?同じ穴の狢(むじな)だ」

「「うーん」」

テレビとかはどっかから絶対性別がバレる。年齢も本名もぜーんぶ。

雑誌は……自分で化粧をするわけじゃないだろうから、その場合も年齢・性別等バレる可能性があるからNG。

やっぱネットのみが安全だよな。

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  • 陰キャが実はネットアイドル☆   86話 住宅事情

    「俺は俺の姉達と話したんだけど、2世帯住宅は反対された。その理由がな?今は良いけど、お義父さんもお義母さんも老化するだろう?そうして二人が介護施設に入ったらどうするの?って話だった」「そうね。お父さんが突っ走って、早くも工務店の人と相談し始めてるのよ!私はストップかけてくる。あと、私はもう一度2世帯住宅反対の話を聞きたいわ。コウジのお義姉さんの話よね?会ってみたいわ」 たいしたねーちゃんじゃねーけどな。 ユカリが2世帯住宅にストップをかけてくれたおかげで一時的に止まっている。保留みたいな? 升田の親父さんのところに全員集合みたいになった。 俺・ユカリ・ねーちゃん・大成さん・親父さん・リンカ・大ちゃん「初めまして。コウジの姉のサヤカよ。こっちが旦那の大成で、この子がリンカ。この子、男の子よ?が大樹」「初めまして。加賀ユカリと申します。よろしくお願いします」「コウジ君からいろいろ相談は受けてるんだけど、体調は大丈夫?酢の匂いでも大丈夫か?」「私は平気な体質みたいですね。2世帯住宅について聞きたかった」「あ、あれねぇ。友達とかでも評判悪いのよ。お金かけて改装したのに、ご両親が介護施設に入っちゃって半分空き家。みたいな?半分を貸すわけにもいかないでしょ?それなら最初からそのお金、改装資金を介護施設の入居費用としてとっておけばよかったー!って愚痴られたの。ご両親を介護するにも素人じゃ至らない部分が多々あって、不快な思いをさせちゃうから、結局は介護施設って聞いたわ」「あぁ、それは明日のわが身ですね。この家は?」「一応俺の家。でも、大成がまだまだ半人前だから居候みたいな?しかしなぁ、サヤカさんは脚が美しく、リンカも可愛いし、大ちゃんは今後どうなるのかな?このままで不満はないね。俺が介護施設に行くようになったら、俺は潔くこの家を大成に譲るよ」「うーん。一般的には両親との同居をしない方が上手くいくと思うけど?その、無理に2世帯住宅ってのはNGね。ここみたいに住み分けしてるなら、まあ妥協だけど。「コウジ。お金あるんでしょ?いっその事どっかのマンションの一室でも買えば?」「そう思ってたんだけど、2世帯案が出て口出し御免の空気になった」「「苦労人だねぇ」」 升田家の人々に同情してもらった。 その後なんとかユカリのご両親を説得し、俺達は4LDKのマンショ

  • 陰キャが実はネットアイドル☆   85話 寿司屋で相談

    「「わかる~」」「でも姉に「気持ち悪い、ウザい」とか言われていましたけど。今も言われ続けてるのかな?」「辛辣なお姉さんだな…」「これも内密に、父はタロウで『T』。姉はサヤカで『S』。で、俺がコウジで『K』です。あ、あと姉は書家でもあって、升田右左衛門さんに弟子入りして書家になりました。書家としての名前は「麗矢」姉の脚をイメージした名前だそうです」「おお、あの升田右左衛門さんのお弟子さんなのか?君のお姉さんは?」「はい。そうですが?」「人間国宝でそうそうお弟子さんを取らないと有名なのに、君のお姉さんはどうして?」「脚が決め手のようです」「「脚?」」「脚です。升田一族は俺の見たところ脚フェチのようで、脚が重要です」「なるほどな。書が得意でも脚はなぁ」「姉の同級生が右左衛門さんのお孫さんだったらしく、紹介してもらったそうです。その縁で、姉はその同級生と結婚をしました。今のところ1男1女ですね」「他に何か俺に聞きたいことはあります?」「いや、大丈夫だ。ところで、ユカリと今後はどこで暮らす予定だ?」「えーっと、俺が『K』の撮影をするのに使っていた家があるのですが、そこで暮らそうかと」「ダメよぉ、せっかくだからこの家を建て増しして2世帯住宅にしましょうよ。ねっ?」「俺の一存では……」 そのとき、ユカリが現れた。「別にいいわよ?ただし、干渉過剰はやめてよ?」「「わかったよ…」」 干渉する気満々だったのか?「しばらくはホテル暮らしで、完成次第ここで暮らしましょう?コウジ君も一緒に」 俺はその日久しぶりに升田の親父さんのところに行った。 マイケルもアスランも帰国した。「彼女を妊娠させて、殴られるつもりでご両親のところに行ったんだけど、思いのほか歓迎された」「時代だねぇ。婚前交渉をなんとも思わない風潮になってるから特に何も思わないんだろうよ」「あら、私と大成はちゃんと順序を踏んでたように記憶してるんだけど?」「父さんと母さんはデキ婚って聞いた」「え?マジ?私は結婚前の子なの?母さん貞淑だったんでしょうね?」「タヤカさんはタロウ一筋だったんじゃないか?「お、リンカ大きくなったな。一人で椅子に座れるのか?」「まだフラフラしてるから目が離せなくて困るよ」 大変だな、主夫?兼業で。「りんかはとうさんとじいちゃんがおすしをつくっ

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